工場や作業現場で有機溶剤を取り扱う際、「家庭用やオフィス用の空気清浄機で代用できないか」と考える方もいるのではないでしょうか。しかし、結論から言うと、法令を遵守し、作業員の健康を守るためには「一般的な空気清浄機」では対応できません。
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有機溶剤対策に「一般的な空気清浄機」は使える?

有機溶剤の臭いや健康被害を防ぐために、身近な「空気清浄機」を設置しようと検討するケースがありますが、基本的には使用できません。その理由を解説します。
空気清浄機と局所排気装置の決定的な違い
一般的な空気清浄機と、法令に適合した局所排気装置には「決定的な違い」があります。
- 空気清浄機:部屋全体の空気を循環させ、主に塵埃や花粉、軽微な臭気をフィルターでろ過することを目的としています。
- 局所排気装置:有害物質が発生する源(発生源)のすぐ近くで、ピンポイントに有害ガスや蒸気を強力に吸引し、屋外へ排出または適切に清浄化する装置です。
有機溶剤から発生する蒸気は空気よりも重いことが多く、部屋に拡散してから空気清浄機で吸い込もうとしても間に合いません。作業員の安全を確保するためには、発生源で直接捉える局所排気装置が必要不可欠です。
ダクトレス型排気装置なら空気清浄機のように使える?
近年、大がかりなダクト工事が不要な「ダクトレス型排気装置」が注目を集めています。これは、空気清浄機のように設置してコンセントを繋げばすぐに使える手軽さを持っています。
しかし、これらも内部には有機溶剤(VOC)を確実に吸着・除去する高性能な専門フィルターが搭載されており、家庭用の空気清浄機とは全く異なる産業用設備です。レイアウト変更が多い現場などでは、空気清浄機のような手軽さで使える選択肢として有効です。
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有機則(有機溶剤中毒予防規則)の基本と排気装置が必要な理由

化学物質を取り扱う現場では、法令遵守が厳しく求められます。なぜ排気装置の設置が義務付けられているのか、その基本を押さえましょう。
有機則とは?有機溶剤が及ぼす健康被害のリスク
有機則(有機溶剤中毒予防規則)とは、労働安全衛生法に基づいて定められた、作業員の健康障害を予防するための規則です。 有機溶剤は揮発性が高く、その蒸気を吸い込んだり皮膚に触れたりすることで、頭痛、めまい、急性・慢性の中毒症状を引き起こすなど、重篤な健康被害を及ぼすリスクがあります。これらを未然に防ぐために、国は厳しい法的規制を設けています。
有機則で局所排気装置の設置が重要になるケース
有機則では、対象となる有機溶剤を一定量以上使用する屋内作業場などにおいて、局所排気装置やプッシュプル型換気装置の設置を義務付けています。適切な排気装置を設置し、作業環境中の有害物質濃度を一定基準以下に保つことが、事業者としての重要な義務となります。
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有機則対応の局所排気装置が必要な5つの作業・現場

具体的にどのような現場で、有機則に対応した局所排気装置が必要になるのでしょうか。代表的な5つの作業・現場を紹介します。
① 塗装・吹付作業
スプレーガンなどを用いた塗装や吹付作業では、大量の有機溶剤(シンナーなど)が霧状に飛散します。作業者の吸入を防ぐため、強力な排気装置が必須です。
② 洗浄・脱脂工程
金属部品やプラスチック部品の加工後に行われる、溶剤を用いた洗浄・脱脂工程です。乾燥時にも溶剤の蒸気が大量に発生するため、局所的な吸引が求められます。
③ 印刷・インク使用現場
商業印刷やパッケージ印刷の現場では、インクやその希釈剤、版の洗浄剤として有機溶剤が使用されます。室内に臭気やVOCがこもりやすいため対策が必要です。
④ 接着剤・シンナーを扱う工場
組み立て工程などで接着剤を塗布する作業や、シンナーで希釈・拭き取りを行う工場です。狭いスペースでの作業も多く、濃度が高くなりやすい環境です。
⑤ 研究室・実験室・化学工場
さまざまな化学薬品やサンプルを試験的に扱う研究室や化学工場でも、有害な揮発性物質が発生します。ドラフトチャンバーや局所排気装置による安全対策が欠かせません。
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有機溶剤対策に最適な排気装置を選ぶ5つのポイント

自社の現場に合わない排気装置を選んでしまうと、効果が出ないばかりか法令違反になる恐れもあります。選定時は以下の5つのポイントを確認しましょう。
① 対象となる有機溶剤(VOC)に対応しているか
使用している有機溶剤の種類(アルコール系、トルエン、キシレンなど)によって、吸着・除去できるフィルターの仕様が異なります。対象物質に対応しているかを必ず確認してください。
② 必要な風量・吸引力を満たしているか
作業スペースの広さや有害物質の発生量に応じて、法的に求められる「制御風量」が定められています。それを満たす十分な吸引力があるモデルを選びましょう。
③ 防爆仕様や法令適合性があるか
引火性の高い有機溶剤を扱う場合、モーターや電気系統から発生する火花による爆発を防ぐため、「防爆仕様」の機器が必要になります。また、有機則の構造基準を満たしているかも重要です。
④ 設置スペースや工場のレイアウトに合うか
据え置き型、卓上型、移動式など、設置スペースや現在の工場レイアウト、作業動線を邪魔しないサイズ・形状の機種を選ぶ必要があります。
⑤ メンテナンス性・フィルター交換のしやすさ
排気装置は導入して終わりではありません。フィルターが目詰まりすると吸引力が低下するため、交換が簡単に行えるか、ランニングコストはどのくらいかを確認しておきます。
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有機則対策におすすめの排気装置3選
有機則対策やVOC対策において、現場環境に合わせて選べるおすすめの排気装置を紹介します。
BA500S

高性能フィルターを搭載し、臭気・VOC対策において非常に強力な性能を発揮する主力モデルです。有機溶剤の蒸気を逃さずしっかりとキャッチしたい現場に最適で、高い捕集効率を誇ります。長時間の作業でも安定した排気性能を維持できる設計となっており、溶剤を大量に扱う塗装現場や化学工場など、シビアな環境下でも安心して運用可能です。
操作性やメンテナンス性にも配慮されており、効率と安全性を両立させた頼れる一台です。産業現場での過酷な使用にも耐えうる頑丈な構造を持ち、現場の安全基準を高いレベルでクリアします。
BA400T

粉じんと臭気の双方をバランスよく同時に対策できる、汎用性の高いモデルです。研磨作業で発生する微細な粉塵と、同時に使用する溶剤の蒸気を一台で効率的に吸引・ろ過できます。複合的な有害物質が発生する現場において、複数の設備を導入することなく環境改善が可能なため、コスト面でも非常に合理的です。
耐久性に優れ、日常的なメンテナンスも容易なため、幅広い作業現場で導入が進んでいる信頼性の高い製品です。一つのユニットで多目的な用途に対応できるため、レイアウトが限られた場所での環境改善にも大きく貢献します。
BA400S

限られたスペースにもすっきりと収まる、省スペース設計を追求したコンパクトモデルです。大学の研究室や小規模な開発拠点、作業スペースが限られたエリアにおいて、手軽かつ安全に局所排気環境を構築したい場合に最適です。コンパクトながら必要な性能は一切妥協しておらず、取り回しの良さと設置のしやすさを兼ね備えています。
危険物質からの暴露リスクをしっかりと低減し、安全な作業環境を柔軟にサポートします。小規模なメンテナンス作業や、机上での精密な化学作業を行う際にも、そのコンパクトさを活かして最適な吸引位置を確保できます。
有機則対応の局所排気装置導入にかかる費用・価格相場

ダクトレス型であれば工事費用を大幅に抑えられるケースもありますが、基本的には初期費用(本体+工事)とランニングコストを合算して予算を組む必要があります。
本体価格の相場
本体価格の相場は、数十万円から200万円以上と幅広くなっています。吸引力(風量)、対応する溶剤の種類、本体のサイズや耐久性など、機種の仕様によって大きく変動します。現場の規模や必要となる性能を見極め、コストパフォーマンスの良いモデルを選定することが大切です。
工事費用
排気装置の設置には、本体価格とは別に工事費用が発生します。具体的には、排気を屋外へ逃がすためのダクト配管工事、有害物質を効率よく集めるフードの設置、外壁への穴あけ加工、専用の電源を確保するための電気工事などが含まれます。建物の構造やレイアウトによって工数や難易度が変わるため、事前に見積もりを取ることが推奨されます。
維持・メンテナンス費用
導入後も継続して性能を維持するために、維持管理コストを考慮しておく必要があります。主に、目詰まりしたフィルターの定期的な交換費用や、法令に基づいた定期点検・清掃にかかる費用などが発生します。フィルターの交換頻度は使用環境や稼働時間によって異なるため、ランニングコストをあらかじめ試算しておくことが重要です。
追加費用
標準モデルだけでなく、現場の特殊な環境に合わせて追加費用が必要になるケースもあります。例えば、引火性の高い溶剤を扱う場合に必須となる防爆仕様への変更、作業スペースやレイアウトに合わせた特注フードやダクトの設計・製作などは、別途費用が発生します。どのようなカスタマイズが必要か、専門業者とよく相談することをお勧めします。
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有機溶剤対策で排気装置を導入・運用する際の注意点

安全かつ合法的に運用するため、以下の5つのポイントに留意してください。
作業環境測定が必要な場合がある
有機溶剤を使用する屋内作業場では、定期的に「作業環境測定」を実施し、空気中の有害物質濃度が基準以下であるかを確認・記録する義務が生じる場合があります。
設置後も定期点検・自主検査が必要
局所排気装置は、設置後も法令(有機則など)に基づき、定期的な自主検査(年1回など)や日常の点検を行うことが義務付けられています。
補助金や助成金を確認する
労働環境の改善や中小企業の安全対策を支援するため、国や自治体から補助金・助成金が出る場合があります。購入前に該当するものがないか確認しましょう。
安さだけで選ばない
初期費用の安さだけで選ぶと、必要な吸引力を満たさず法令違反になったり、フィルターの寿命が短くランニングコストが高くついたりするトラブルを招きます。
専門業者による現地調査を行う
工場の構造、取り扱う溶剤の種類、作業員の動線などによって最適な設計は異なります。必ず事前に専門業者による現地調査を行い、最適な提案をもらうことが失敗しない近道です。
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排気装置を設置するなら排気装置ネットへ!
排気装置の導入を検討する際は、現場環境や対象物質に合った機種選定が重要です。
排気装置ネットでは、有機則対応の局所排気装置をはじめ、VOC対策、臭気対策、防爆仕様など、現場に合わせた最適な排気設備を提案しています。
現地調査から設計、施工、設置後のサポートまで一貫対応しているため、初めて導入する企業でも安心です。工場、研究室、塗装現場、洗浄工程など幅広い実績があり、法令遵守を踏まえた提案が可能です。有機則対応の排気装置を検討している方は、まずは排気装置ネットへ相談してみましょう。
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